4.ロベルトの目的

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とたん笑顔になったロベルトを、クロウはあきれたように見た。 「…アンタ、案外図々しいな」 「それ、フランクにも言われた」 何故この場所にここまで固執するのか自分でもわからなかった。何かに執着することの珍しいロベルトには、初めてに近い感覚だった。"ここじゃなきゃ嫌だ"と思った。"ここじゃなきゃダメだ"とさえ思った。自分がこんなにわがままだとは知らなかったーとロベルトは不思議な感慨にふけった。 「まぁタダでとは言わないぞ」 クロウの声にふと我にかえる。 「もちろん!今は金は無理だけど、他のことなら何でも…!」 「そうだなぁ…アンタは炊事洗濯…あとワルター達の餌やり担当だ」 「ワルター達?」 聞き馴染みのない名前に、ロベルトの頭にハテナが浮かぶ。 「カラスだよ」 ああ、と納得する。 「でも、これじゃあまるで僕、家政婦みたいだな」 「そりゃな。最初からそのつもりでアンタを雇ったんだ」 「そうなの?」 「ああ。だから宿代は給料から引いとくよ」 そう言って片目をつぶって見せたクロウに、ひょっとしてまた騙されたのかもしれない、と思うロベルトだった。 *
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