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大体、きちんと正しい手順を踏んで入社してきたのだ。
『いらぬ嫉妬心は身を滅ぼしますわよ?』と思っていたかは定かではないが、その出来事があった直後から手出し無用の人物となった。
『波長が合うか、合わないかが鍵ですわ』と、美衣子や美奈に人間付き合いの根本理念を語っていたのはいつだったか。
彼女はオカルトマニアでもあった。
怖いことのみならず、世の中の摩訶不思議を喜々として語るのだ。
摩訶不思議には『人との出会い』も含まれていて、初めて配属された部署で自己紹介をしている時、美衣子にビビビっときたそうだ。
後は波長の問題。ピッタリ合ったのだろう。
2年経った今でも喧嘩することもなく、過干渉も疎遠もなく落ち着ける関係らしい。
「やめときなよ」
美奈の言葉に美衣子は溜息をつき、食欲が削がれてしまったのか箸を置いた。
「私もそう思うわ…」
遠くを見つめた顔は何だか疲れているようだ。
「ねぇ…あんた最近おかしいよ? なんか悩みでもあるの?」
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