第1章 桜

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願いながら目前にまで来た正門をそのまま抜け、車道に飛び出した桂月の耳に低い驚きの声と負荷がかかった金属特有の嫌な音が同時に聞こえた。 「あっぶねーな、姉貴」 「え? 弥?」 帰りの遅い桂月を探しに来たようだ。 突如現れた弥がもたらした驚きと安心は、一息ついた彼女の意識を現実から遠ざけたのだった。
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