カルテ1

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そして、翌朝。 私は件のち~ちゃん(シベリアンハスキー)との一時を我慢し、何時もの道を通勤した。 相変わらず、野良猫なんかは逃げる。 でも、近くに来たから、とりあえず距離をとったレベルの逃げ。 前のような必死さはない。 それどころか、餌を手に差し出したら、恐々とだけど、食べに来てくれた。 これは、けた違いの進歩だ! 「おっはよーございまーす!」 気分よく職場のドアを開け、師匠に挨拶する。 「おお、今日は一段と可愛いね。 どうだい、これから楽しいこと……」 「ごめ~ん、無理!」 師匠がいつになくダメージを受けていた気がするけど、別に(前々から)どうでもいい。 動物から嫌われてない。 それがわかっただけでも、私の今日の運勢は大吉だ。
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