カルテ1

2/8
前へ
/10ページ
次へ
私は熱田 菊代(あつた きくよ) 獣医師(なりたて)として、日々、動物達の病気やケガを癒すのが私の仕事。 私が大学で弟子入りしていた先生は、「動物と話す?HAHAHA、簡単簡単。ベリーベリーイーズイねー」と、豪語していたけど、残念ながら私は"話す"どころか意思の疎通すらはかれていない。 そもそも、動物に好かれていない。 私が寄れば、野良猫は確実に"走って"逃げ出すし、野鳥は慌てて飛び出す。 うん、野生動物だから!と、ここまでは納得出きる。 じゃあ、人に慣れてるはずの牧場の牛や馬、小学校のウサギすら、私を認識すると同時に避けるように動き、近寄ろうとすると全力で逃げる始末。 唯一の救いは、今住んでる家のお隣さんが飼ってるシベリアンハスキーだけ。 メスのち~ちゃん(八歳、体長1m越え)の彼女だけが、私になついてくれる(手にジャーキー持ってれば) 『動物が嫌うから』と、香水はおろか、シャンプーやリンスーにも気を付けているのに、その効果は全くない。 短く切り揃えたショートヘアに平均的な身長。 特に動物が嫌う要素はないはずなのに、常に先のシベリアンハスキーと人間以外の動物には嫌われる毎日。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加