カルテ1

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そして、今に到るわけで、とりあえず便宣上の名前をつけようとしてもダメ。 保健所に電話をしようとしたら、思いっきり手をつつかれる。 で、ホトホト困った。 「はぁ~全くわからんやっちゃな。 わしが折角色々助けたろ~思うとんのに。 せやから、動物の気持ちもわからんねん」 「はぁ!?さっき会ったばかりのあんたに言われたかないんですけど!? 匂いが少ないシャンプーとかトリートメントとか、色々気を使ってんですけど!?」 「自己満足もいいとこやで」 む、コイツむかつく~! 私のこと、今鼻で笑った。 もう、いいわ。 保健所まで生かしとく必要なんてない。 この場でシメてやるわ。 寒くなってきた今の時期ピッタリな鍋にしてやるんだから。 「おお~コワイコワイ。 まず言うとくけど、そんな大型犬の匂いプンプンさせてたらそら嫌われんで」 へ? 「気付かんかったんか? まぁ、人間の嗅覚はたいしたことないでな。 でも、洗ったつもりでも、まだまだ残っとるで。 そら、みんな逃げよるわ」 うそ。 うそだ~。 そんなわけあるはずがない。 「疑うんなら、明日試してみいや。 その結果次第で、わしの処分決めたらええ。 一先ず、今日はあんさん家に泊めさせてもらうで」 う、勝手に決められたけど、なぜか断れない。 しぶしぶ、私はオッサンくさい関西弁の鶏を連れて帰ることに。 ……彼氏だって家にいれたことないのに(いないけど)、こんなオッサンが我が家に足を踏み入れるなんて、屈辱だわ。
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