乙女ちゃん

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「チュー、しよ?」 固まっていると そっと澤野さんの手が頬にふれた。 顔が迫ってきて……。 「ダメ!ダメですよ!!」 「なんで、チューしたら、ダメ、なの?」 慌てて手で押さえると、 悲しそうな顔で見下ろされた。 ……いや、そんな顔されても、ね? 「俺、チュー、したい」 「ダメですって!」 抵抗しようとしたけど、 片手で私の両手を まとめて押さえつけるとそのまま迫ってくる。 思わず目を閉じた……けれど。 いつまでたってもその感触はなく。 「ぐぅ」 「へっ!?」 恐る恐る目を開けると、 澤野さんは私の肩に頭を預けて 気持ちよさそうに寝息を立てていた。
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