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……微かに聞こえる、猫の声。
ずきずきと痛む頭。
……私、一体?
手を上げようとして動かないことに気が付いた。
手だけじゃない。
両手・両足。
なにかに縛られてるのかびくともしない。
鼻を刺す、濃い鉄の臭い。
次第にあたまがはっきりしてきて、
いままでのことを思い出した。
……ああ、そうか。
私は――。
息子の異常性はなんとなく気が付いていた。
好きなもの――人でも動物でも虫でも――が
逃げようとすると途端に機嫌が悪くなる。
最初のうちはそれだけ気に入っているのだと、
あまり気にも留めてなかった。
そのうち、
その癇癪があまりに度が過ぎるようになり、
怖くなった。
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