59人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、1度解散となった。
集合場所は、また水波の家。
その時間になれば、沢山の武士がいることだろう。
そして、その中に水波も蒼井も居ることだ。戦に出て戦わなければならない。
そして白井は、己が戦えないということを酷く恨む。
刀の所持は認められたのに、戦えないとなると自分は何をすれば良いのだ、と。
自分も水波と蒼井に並んで戦いたいのに。
『人を斬る力より、人を救う力の方がずっと素晴らしいよ』
と、昔水波に言われたことがある。
それは、そうなのだが。
その両方の力を持つことは駄目なのか。
そんなことをグダグダ考えてしまえば、白井は直ぐ苛立ちを覚えてしまい、1度思考を停止させ、戦に出る為の服に着替えた。
腰には刀を下げて。
水波の家に向かう途中に沢山の武士を見た。集合時間にはまだ全然早い。
それでも皆が直ぐに集まるのは、この町を守りたいから、か。
白井は呑気、とも言えるように歩いていれば、1つの店に目を止めた。
それは、たい焼き屋ではなく、お守り等を売っている店だった。
「………」
お守り、ねぇ?
その中に、袋状のお守りがあった。
説明も添えられてあり、それを眺めるように読む。
自分の叶えたい夢を願い、それを相手に渡すと夢が叶う、と。
自分の叶えたい夢を相手に託すというのは、些か大丈夫なのか?と考えて見たが、それでも、白井はそのお守りを桜柄で買ってしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!