高鳴り

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そして、1度解散となった。 集合場所は、また水波の家。 その時間になれば、沢山の武士がいることだろう。 そして、その中に水波も蒼井も居ることだ。戦に出て戦わなければならない。 そして白井は、己が戦えないということを酷く恨む。 刀の所持は認められたのに、戦えないとなると自分は何をすれば良いのだ、と。 自分も水波と蒼井に並んで戦いたいのに。 『人を斬る力より、人を救う力の方がずっと素晴らしいよ』 と、昔水波に言われたことがある。 それは、そうなのだが。 その両方の力を持つことは駄目なのか。 そんなことをグダグダ考えてしまえば、白井は直ぐ苛立ちを覚えてしまい、1度思考を停止させ、戦に出る為の服に着替えた。 腰には刀を下げて。 水波の家に向かう途中に沢山の武士を見た。集合時間にはまだ全然早い。 それでも皆が直ぐに集まるのは、この町を守りたいから、か。 白井は呑気、とも言えるように歩いていれば、1つの店に目を止めた。 それは、たい焼き屋ではなく、お守り等を売っている店だった。 「………」 お守り、ねぇ? その中に、袋状のお守りがあった。 説明も添えられてあり、それを眺めるように読む。 自分の叶えたい夢を願い、それを相手に渡すと夢が叶う、と。 自分の叶えたい夢を相手に託すというのは、些か大丈夫なのか?と考えて見たが、それでも、白井はそのお守りを桜柄で買ってしまっていた。
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