第1章

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洋介は壇上に戻り、何事もなかったかのように、スピーチを始めた。 静かになった在校生は、洋介の話に聞き入るように真剣な顔で聞いていた。 やっぱ中学生。 あれ以上、盾突いて横着なことをしようとしてこなかった。 ここら辺がまだ幼い。 単純と言うか、素直さがまだ残ってて安心した。 これを教訓に、人を見た目で判断してはいけない。 そして、無謀な喧嘩は絶対するものではないよ、若者達。 自身の経験に基づいて、洋介は普段通りの口調で、洋介なりの伝え方を彼らにした。 「俺らって無敵。 そう思い込んだり、勘違いする時って、ヤンチャしてると誰しも必ずあることだと思う。 群れて大勢でいると、気がデカくなって強くなった気分になっちゃって、錯覚起す奴もいるかもしれないし。」 若さ故の、恐いもの知らず。 若気の至りで自分自身も失敗してきたから、言えることがある。 洋介も中学時代、自分が一番強いと勘違いしていた時期があったと話し出した。
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