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映画が始まって、ポップコーンをほおばる。ショウガはもっときいててもいいんだけどな。
甘いだけじゃなくて甘辛いとか、たまに甘いくらいの方がいい。
俺は甘すぎると思ってるものでも、松野はそうでもないって時の方が多いし。
バケツの中でポップコーンを探る手と手が当たる。
俺が手を引っ込めると、松野はポップコーンと摘んだ手を俺の口の前にもってくる。
しょうがないなとそれをぱくりとやると、薄明かりの中で松野がにやっと笑ったのがわかった。
松野の癖っ毛が肩にもたれかかる。
別に映画が観たかったわけじゃなくって、ここに来ればお気に入りの甘いものが手に入るからってことなんだろうな。
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