プロローグ

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今から私たちは、この一年間行った卒業研究の発表をはじめる。 これは、私たちにとっては海外にいる宮原先生と行った共同研究の成果発表にもあたる。 宮原先生の前宣伝が効きすぎたようで、発表会場に数社の報道陣が詰めかけている。 本来、私たち学部生のする卒業研究なんて、既知事項のトレースレベルだ。 報道陣の来校なんて、聞いたことがない。 私たち3人は、舞台袖で無言で見つめ合った。 敦の綺麗な顔がニィッと笑ったのを合図に、壇上に向かった。 フラッシュがたかれた。 私は、未だに、あのことが正しいのか、結論が出せないでいる。 研究室に入った四月に、あのことが無ければ、こんな注目浴びることは無かった。 こんなに注目を浴びる成果をあげれたのは、あのことがあったから。 そう、 あれが全てのはじまりだった。
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