第3章

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ナツが昨夜からの出来事を敦に話した。 「で、宮原先生失脚説なわけ?」 敦の言葉に、私とナツは頷いた。 「だけど、いつの間にウズラを混入したのかしら」 ナツが小首を傾げて言った。 「ナッちゃん、そんなこと簡単だよ」 敦は腕を組んでホワイトボードを見つめたまま、言った。 「簡単?」 「俺たちがロードアイランドレッドの卵から取り出した生殖前駆細胞、宮原先生が俺たちの研究室の細胞保管庫使えないって言うから、塚原研究室の保管庫に入れてもらったんだ」 「ウズラを研究している塚原研究室の保管庫に!」 「ああ。だから、俺たちの細胞前駆体をウズラのもの取り替えるのは、塚原研究室の人なら誰だって可能なわけ」
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