第4章

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「じゃあ、うちの保管庫に入れておけば、取り間違えなかったんですよね」 「そういう事になるわね」 「先生、わざと?」 「なんだ。長田さん、私を疑っているの?」 「……」 「私たちの細胞保管庫に入れる予定だったのだけど、水切れで湿度が少しくるっていたのよ」 「湿度?」 「そう。湿度よ。細胞保管庫で温度と湿度を調整するのよ」 私は黙って聞いた。 「あの日、湿度調整用の水が枯れて。エラーが出ていたのよ」 「エラー?」 「そう。それを東條君が見つけて、他に使える細胞保管庫を探してくれたのよ」 「そうだったんですか」 「だから、私じゃないわよ」 私は、少し恥ずかしくなり、下を向いた。 「でもね…、あのね、長田さん」 宮原先生は、言葉を選ぶようにして話し出した。
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