第4章

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「高校卒業する時、悲しかった?」 宮原先生が何を言いたいのか分からないけど、友達と別れるのが悲しくて涙した自分を思い出してうなづいた。 「大学生活楽しい?」 「はい、楽しいです」 「私が何を言いたいか分からないわよね」 「全くわかんないです」 「あのね、長田さん。高校卒業っていうちょっと悲しい『終わり』が、大学入学っていう新たな喜ばしいステージの『はじまり』に繋がっているでしよ」 「はあ?」 「人によっては、それが大学ではなく、就職だったり、自分のやりたいことだったりするけど、終わりの後には、必ず何かがはじまるし、始めなきゃ、終わったことに失礼なのよ」 「はあ……」 まだ、宮原先生の言いたい事がつかめない。 私は、一生懸命、先生の言葉を拾い続けた。
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