第1章

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涙が止まって、泣き顔を見られないように俯いて彼の部屋の前から歩きだした。 恋するってこんなに苦しいんだ。高村くんが恋しいと感じてから、ずっと胸が苦しくて悲しくなることばかり。 町を歩くカップルはみんな幸せそうなのに… あのカップルたちにもこんな苦しいときがあったのだろうか… 好きな人に想いを伝えることすら出来ない…報われないとわかっていても、気持ちは勝手に高村くんを求めてやまない。 付き合ってる人と会っているときも、心のなかにはいつも高村くんがいる。 あっちゃんと別れよう。 高村くんと付き合うことは無いだろう。 それでももう偽れない。 数時間後はあっちゃんに会う。今日は気持ちをハッキリ伝えることを決意していた。
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