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国軍と呼ばれている王室つきの軍隊に、遊撃隊が存在するのを知っているものはそう多くはない。
近衛や警備隊・本隊とは別に、その時々に役割を与えられる部隊だ。
王または王から任命された王族が自分の裁量で組織して、率いる。
かつて鬱金という王族の一人が率いたその遊撃隊は、その実、軍とは全く違う別に動く暗殺集団だった。
それを知るのは、もっと限られたもののみ。
その鬱金率いる遊撃隊に、私の父はいたらしい。
家業を継ぎ、今ではそこそこ力のある商人に納まっている父の姿からは、想像できない経歴。
父は鬱金の側近だった。
『手を汚すのは最低限の人数でいい』
そんな甘い考えの王族が集めた、元々は軍人でもなんでもないけれど最上級の腕前の――剣だったり体術だったり発明だったり、その分野は多岐にわたっていたと聞く――持ち主たちの集団。
鬱金は甘い考えの持ち主でありながら、その考え故に、その集団を率いるのに自らが先頭に立っていたのだという。
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