1 嵐は前触れもなく突然に。

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だから俺がーーー 「とっくに忘れたよ。」 って、言ったところで 「へぇ…忘れたねぇ。」 と、こんな感じで返される。 「な、何だよ。その疑いの眼差しは?」 「別に。それよりアンタ今日の飲み会参加しなよ。」 「飲み会って?」 「親睦会という名の合コンを経理部とやるんだけど一人都合悪くなったみたいで。堀江どうせ暇でしょ?」 今里…… どうせ暇でしょって…何気に傷ついたぞ俺。 とは言え、結局、押しにも弱い俺は今里の誘いを交わすと言う高等な技術もなく、無理矢理その夜の飲み会に連れていかれる事となった。   そしてーーー へぇ…… 会社が大きいと今まで見たことないヤツも結構いるんだな。 俺は、その夜集まった面子を見て、一人感心していた。 それに男女問わず違う部署のヤツの話を聞くのもこれはこれで面白いもんだ。 俺は今里に無理矢理、連れてこられた割りにはその夜の飲み会を意外と楽しむことができた。
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