1 嵐は前触れもなく突然に。

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飲み会の翌日、出社してきた俺のデスクに今里が寄ってくる。 「昨日はお疲れ様ね。ところで良い子いた?」 俺は通勤途中に買ってきたカフェオレを危うく噴き出すところだった。 「い、良い子って何だよ?」 「アンタ……まさか全然チェックしてないの?」 いや、今里……チェックも何も…… 「アンタってば……。あのねぇ、年寄りのお茶会じゃないんだからね。何してたのよ一体。全く…呆れるわ。はいこれメアド、ちゃんとメール送りよ。」 と渡されたメモには 経理部 八尾 茜(やおあかね)という名前とメアドが書いてあった。 今里が言うにはどうやら八尾茜は俺の事を気に入ってくれたみたいだ。 とても引っ込み思案なタイプらしく 飲み会の最中に俺に話しかける事が出来なかったそうだ。 それで名前とアドレスを書いて今里に託したらしいのだが………。 「いい機会だと思うよ。八尾ちゃんかわいいし、アンタにお似合いだよ。」 なぁ、今里。 お前もし転職するなら結婚相談所にしろよ。 向いてると思うぞ。
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