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 青空の下、ジェミニは小さな丘の上で背伸びをした。爽やかな風が彼女に纏いついて吹き過ぎる。ソラはただ眺めていた。 「あ、あそこ、町あるよ」  遠景の先の町を指差すジェミニの嬉しげな笑みに太陽は輝きを添える。  ソラは頷くと荷物を揺すって持ち直した。ジェミニよりも先の道へ歩みだした彼の背を、慌てたように小走りで追いかける。  二人が町についたときには赤い太陽が西へ沈みかけていた。 「もう、日が落ちるね。早く宿をとらないとね」 「ああ。そのあとは酒場だな」  ソラは明かりがポツリポツリと灯され始めた町を見渡す。宿屋らしき看板を遠くに見つけたのか、歩みを早め始めた。 「分かってる。早く幻の花の話、聞きたいね」 「知ってるとは限らぬが」  ジェミニは軽やかな笑いを浮かべ、大丈夫、と言う。ソラは顔を横に振り、苦々しく歪めた。  宿屋につき、素泊まり一室をとるとすぐに荷物を置き、二人は外へ出る。
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