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「シーアライト・・・・・・」
ソラの顔が少し青ざめたのに、ジェミニだけは気づいた。平静を装うソラの声はわずかに震えついた。
(たしかシーアライト王国へ行くのは避けたいって・・・・・・)
不安げに伺うジェミニに気づいたのか、大丈夫と呟いた。
それは自分に言い聞かせるようでもあった。
「大きな収穫ができた。礼を言う」
「で、にいちゃん、いくのかにゃ」
「ああ、当たり前だ。だろ?ジェミニ」
ジェミニも頷く。そこへコップをもった白い手が伸びてきた。
「はい、リンゴ酒に水、あと焼き鳥ね。あたしは反対だよ。あんなとこ、若い子が行くんじゃないよ。まったく」
吐き捨てて去る女に、ジェミニは唖然として見送った。
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