第1章

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気がつくと俺は、何もない真っ白な空間にいた。 ここはどこだ? 上下左右見渡してもただ真っ白な空間が果てしなく続くだけ。 しかも俺自身地に足が着いてる感覚が全くなく、無重力世界のようにフワフワ浮かんでるかの様に体が軽かった。 まさか…さっき強烈な頭痛で気を失ったが、実はそのショックで死んじまったのか? 今の俺は実態ではなく幽霊?? 俺はそーっと自分の足元を見た。 なんだ!足があるじゃねぇか。という事は死んではねぇみてぇだな。 「当たらずとも遠からずだ。」 「うほ!!誰だ??」 何処からともなく声が聞こえてきた。 人の気配は全く無かった。 「我輩はこの世界を統べる神だ。己の魂を賭けし者よ。お主がそこまでして大富豪にならなければならない理由は何だ?」 この状況が意味不明なのだが、考えても仕方ない、とりあえず謎の声の質問に答える。 「あ?ビックになりたいからに決まったんだろ!」 「ビック…?たかがそんな理由でか?」 「良くわかんねぇけどよ!どうせこれからも生きてくんならビックにならなきゃだろ? それよりここは何処なんだよ? 俺を大富豪にしてくれんだろ? 早くしろよ!」 「…まぁ慌てるでない。 ここは、この世とあの世の狭間とでも言っておこうか。 先ほど現世からお主の魂のみをこの場へ連れて来たのだ。 今はお主の姿形をしているが、それはお主の魂を具現化したに過ぎない。」 こいつの言ってる意味が全くわからねぇ。 様は魂抜かれてここに来たんだろ? て事はやっぱ俺死んでんじゃねぇのか? 「まだ死んではおらぬ。」 ぐぇっ! こいつ俺の心が読めるよかよ… ていうか"まだ"って?? 「俺はこれから死ぬのか?大富豪にしてくれるとか言って騙しやがったのか?」 「だからそう焦るな。お主が無事ここから脱出する事が出来たのならば、魂はまだ現世にある肉体に戻る。 しかし脱出するには幾つかの試練がある。その試練をクリア出来なかった場合、お主の魂は消滅する。 現世にあるお主の肉体も抜け殻になる。 それはすなわち"死"だ。」 「しかしお主が試練を乗り越え、無事に現世に戻れた暁には100億円をやろう。」 「ひゃ100億~!!?そんな事出来んのか??」 「我が力を持ってすれば容易い。その時はお主は晴れて大富豪の仲間入りだ。」
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