第1章

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1 主人公は重度の麻薬中毒者。 法に触れる仕事で稼ぎを得、その稼ぎをそのまま麻薬の購入代金に充てる生活をしていた。 2 まともな思考回路を持たず、「麻薬をうち続ける事でアイアンマンになれる」という荒唐無稽な夢を見て、日々を過ごしていた。 3 主人公は、厳格な母親の元で度が過ぎるほど真面目に育てられ、周囲からは優等生と持て囃されていたが、本人はとても窮屈な思いをしていた。 4 人とまともに対話する事もできない主人公が仕事をできていたのは、トリップすることで現れる“優等生だった自分”の幻影からの助言があるからだ。 5 しかし麻薬の効果が切れ、禁断症状が表れると、“優等生だった自分”の幻影は消え、変わりに“母親”の幻影が現れる。 母は度が過ぎるほど厳格であったが、偏に主人公への愛故にであったことを、主人公は自覚していた。 それ故に母の幻影を見るたびに、主人公は激しい罪悪感に苛まれるのだった。 6 “優等生の自分”“母親”“アイアンマン”の板挟みにあった彼の脳は、やがて限界を迎え、脳がショートした主人公の意識は深層心理の内に広がる宇宙空間に投げ出され、主人公はこの世の真理に到達した。
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