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フワリと抱き上げられ、そのままその赤い人は跳び跳ねた。
『ヒッ…………………!?!!』
『よっと!よし、ここで探そう!さぁ、お父さんは何色?お母さんは何色?』
『わっ!わわわ!!』
一瞬で飛び上がったのは、生徒会室の真上。正面の大門を見渡せる、あの場所だった。
『ほら、よく見て!』
『た…高い!』
赤い人は俺を更に肩車した。
いや、高い。怖い。
両親の特徴を急かす赤い人には悪いけど、只でさえ高い屋上で肩車。
俺は目を開けられずに、赤い頭にしがみついた。
『大丈夫だから、ほら見ろ!人が沢山で、ついでに町も海も、全てがみはらせる特等席だぞ?』
特等席?
それを聞いて、俺は恐る恐る目を開けた。
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