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「会長、おはよ~。」
「おぉ!副会長!お早う!」
緩いウェーブの長い髪をなびかせ俺の隣に立ったのは生徒会副会長、高等部2年の 西園寺 桃(さいおんじ もも)だ。
彼女は容姿端麗で、同性の下級生やらそうじゃないやつらからも「お姉様」と慕われている。
生徒会に誘った時は一瞬めんどくさそうな顔をしたものの、すぐに承諾してくれた。その理由は…
「さて、今日の銀二はどうかしら?」
「………っ!」
西園寺副会長がそう言いながら胸元(谷間)から取り出したのは黒い棒。
それをスッと伸ばし目を当てながら西園寺副会長は言った。
「あら、今日は昨日より血色が良いみたいね。うふ。体温は…36度8分?あら、熱が出ないといいけど。」
副会長が取り出したのは超高性能望遠鏡。それで何を見ているかと言えば、数十キロ離れたこの街1番の大きな病院の最上階にある彼女の弟の病室だ。
ちなみにその病院の院長は西園寺 健。つまり副会長の父親である。
うちの保健医も彼女の病院から派遣されていて、実はかなりお世話になっている。
「あ、銀二がこっちに気付いたわ。今日も可愛い!あーん!!会長!ここより見えやすい生徒会室へ行きましょ!」
彼女が生徒会に入ってくれた理由。
それは生徒会室から弟の病室がよく見える(覗ける)からだ。
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