第1章

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涼介、これでお前は助かったはずだ。 俺のぶんまで生きろ。 双子の兄貴の豊の声が遠くから聞こえた。 あの時死んだはずのおれの体はどうなったのか。 助かったというのか。 兄貴が俺を助けてくれたのか。 頬を涙がとめどなくつたい落ちる。 そう、いつだって俺のたった一人の兄弟の兄貴は力強く、優しかった。俺は病院のベットに横たわりながら回想の旅にでた。 双子が生まれる確率は1000人に四人あまり、つまり0.4パーセントしかいない。さらにその双子1000人に1パーセントの確率である特殊な能力を持った双子が誕生する。 その能力とはテレパシーだ。
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