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これが全てのはじまりだった。
私はそこまで書いてパソコンを閉じた。
ん? 何か聞こえるな。
なになに? 『「これが全てのはじまりだった」で終わらないといけないのだから、それで始まるのは間違いですよ』だって?
ドキッとしましたね?
私は心が読めるのです。
『そんなわけない』って思いましたね。
私は心が読めるのです。
『ま、まさか本当に!?』と思いましたね?
私は心が読めるのです。
『いい加減うるさい』って?
私は心が読め……おっとっと、失礼。つい癖で、また同じことを言ってしまうところでした。
まあとにかく私は心が読めるのです。
『またかよ!』なんて思うのは止めてくださいね。
とりあえず今回の企画では「最後の一ページに『これが全てのはじまりだった』の一文がある」ことが条件なのです。
したがって、一ページで終わってしまえば、どこにその一文があろうと関係ないのです。
『なるほど! そんな手があるのか!』と思いましたね?
そう、そんな手があるんです。
だから私は一ページで書ききる必要が……ん? また何か聞こえたぞ?
なになに? 『たとえ一ページで終わるとしてもこれは企画の趣旨には適さないだろう』だって?
これは審査員の方の意見だろうか? うーむ、心が読めると言っても対象が誰なのかわからないのが難点だな。
うむ、仕方がない。
もしもこの考えが審査員のものだとしても大丈夫なようにページを追加することにしよう。
なに? 『臆病』、『チキン』 だって? それは人事だから言えることだよ。
それにその二つは同じ意味だから、一緒に使わないように注意してね。
えっ? 『そんなの知ってる』だって?
わかったわかった。失礼したよ。
まあひとまず次のページに行かせてもらうとするよ。
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