第七章 心からありがとう

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 僕らがトイレ掃除をしているところに来風さんは全身完全防備でプラスチックのテブクロをはめ、マスク姿で現れた。 「り、隆二が言うからちょっとだけやってみるだけだからな! ほんとはこんな汚い仕事したくないんだからな!!」  僕らがぽかんとしていると来風さんは早速便器の掃除をしようとした。けれどやり方が慣れてなく乱暴にモップを使うものだから水が服の裾にはねてしまった。 「うわぁああああ! 汚ねぇ! もうわからなくていい、もう俺、隆二とは一生付き合わないからな! こ、後悔したって知らないぞ、いいな、もう付き合わないからなーー!」  意味不明な叫びを残し来風さんが去った後僕は一人で彼を見ていた。  なんだったんだ……。  僕が唖然としてしまったけど、隆二はそのまま何食わぬ顔で掃除をしていた。 「疲れましたねー!」  帰り道、僕らは隆二の車の中にいる。僕は掃除で疲れて助手席でくたりとしてしまっていた。 「お疲れ」  隆二に唇に軽くキスされて思わず少し顔を赤らめる僕。  はー。何度してもいつも赤面してしまう。 「お前さっき、俺がお前から離れた事想像して少し涙目になってただろ?」 「えっ……」  さっきの顔見られちゃってたんだ。は、恥ずかしいっ。  思わず気まずくなって僕は視線を逸らした。 「音楽でも流すか」 「え、あ、うん」  僕のうろたえた気持をかき消すように車内に明るい音楽が流れた。 「大丈夫だよ、絶対そんなことないから。もう俺の心はお前が掴んじゃってる。俺の方が離れられない」  僕は車の窓からみえる景色を眺めながら彼の言葉で胸が熱くなり、嬉し涙が溢れてしまった。  そしてもちろんその夜も僕らはとっても濃いエッチをした。  おしまいv
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