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広々とした道場に一人、刀を持った少女が居た。
少女の名は、咲良 夜。
彼女の持っている刀の名は、”雪桜”。
光の反射で白や桜色に変化して見える事からその名が付いた。
雪桜は彼女、咲良 夜の愛刀である。
その愛刀は幕末から代々続いている道場の家宝である。
幕末から続いている道場の名は、”咲良道場”。
そう、この物語の主人公 咲良 夜の実家である。
夜は日課である精神統一を行っていた最中。
すると、夜の元に一人の女性がやって来た。
「相変わらず熱心ね、夜ちゃん」
夜に話しかける女性、彼女は咲良 月夜。
夜の母親である。
『母上、鍛錬を怠ると鈍ってしまいます』
夜は一言告げ、母親の方へ顔を向ける。
「熱心なのもいいけど、そろそろ止めない?夕ご飯が出来たの。先に行ってるわね?」
ふふっと笑いながら月夜は道場から出て行く。
夜はふと外を見る。
外はすっかり夕暮れ時だった。
『はぁ・・・もうこんなじかんか・・・』
夜は道場に一礼し、その場をあとにした。
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