ー 序  章 ー

2/2
前へ
/4ページ
次へ
広々とした道場に一人、刀を持った少女が居た。 少女の名は、咲良 夜。 彼女の持っている刀の名は、”雪桜”。 光の反射で白や桜色に変化して見える事からその名が付いた。 雪桜は彼女、咲良 夜の愛刀である。 その愛刀は幕末から代々続いている道場の家宝である。 幕末から続いている道場の名は、”咲良道場”。 そう、この物語の主人公 咲良 夜の実家である。 夜は日課である精神統一を行っていた最中。 すると、夜の元に一人の女性がやって来た。  「相変わらず熱心ね、夜ちゃん」 夜に話しかける女性、彼女は咲良 月夜。 夜の母親である。  『母上、鍛錬を怠ると鈍ってしまいます』 夜は一言告げ、母親の方へ顔を向ける。  「熱心なのもいいけど、そろそろ止めない?夕ご飯が出来たの。先に行ってるわね?」 ふふっと笑いながら月夜は道場から出て行く。 夜はふと外を見る。 外はすっかり夕暮れ時だった。  『はぁ・・・もうこんなじかんか・・・』 夜は道場に一礼し、その場をあとにした。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加