《親父の背中》

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「いざという時、それは明日かもしれないし、死ぬまで訪れないのかもしれない、でも、気を抜くなよ」 「うん、わかった」 「お前、母さんの事、嫌いか?」 「嫌いではない、多分」 「安心した。母さんには優しくしといたほうがいいぞ。その優しさを他人にまで広げることができた時、本物のヒーローになれる」 「うん」僕は、僕が恥ずかしくなって、父さんの横の助手席で泣いていた。 「星夜、12歳の誕生日、おめでとう」 父さん、その言葉、1日遅いよ。 家に帰ると母さんがケーキを用意していて、僕はまだ泣き足りなかったけど、ぐっと堪えてその甘みを噛み締めた。
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