第1章

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僕は、何なのか。 小さい頃から思っていた。 僕は、何なのか。 朝起きて、目の前に白装束に身を包んだ人に体を起こされ、着ていたものを脱がされる。そして、どこからか出てきた服に着替えさせられた。こんなことも自分自身ではさせてもらえない。今までは反抗していたりもしていたが、無意味だと分かると止めてしまった。 着替えが終わるとお姫様のような綺麗な女の人が僕を向かえにきて、手を引かれる。連れていかれる場所は祈りの間。そこで、僕と女の人は静かに膝をつき、手を合わせて≪ナニカ≫に祈る。ナニカは、分からない。皆。皆。 分からないのに祈るなんて、可笑しな人たちだ。そんなことは、思っているけど、言わない。言ったら怒られるから。祈るからこそ意味があるとか。本当に、下らない。何に祈っているのか分からないのに祈るなんて、馬鹿がすることだろうに。何故こんなことにするのか。 僕は、分からない。 何故、祈るのか。 何故、僕が要るのか。 僕は、分からない。 いつか、分かる日が来るのだろうか。
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