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「私はジェイス王子を選ぶべきだったわ」
アイリーンは眉間に皺を寄せ、溜息をつく。
「おいおい、そんなはっきりと言うなよ」とジョニーは訴える。
「どう考えてもジェイスの方が顔も器量も良かったのに。なんて馬鹿なの!」
「それを言うなら俺だって踊り子のバーバラのほうが良かったんだぜ?」
「あんな巨乳のどこが良いのよ」とアイリーンは一緒に旅をしていたバーバラを思い出す。あんな男を誘惑するしか脳のない女のどこがいいのかアイリーンはいまだに理解ができない。おそらく一生わからないだろう。
「全部さ。それにバーバラは俺のことが好きだったんだぜ?」とジョニーは胸を張る。そういえばいつからかバーバラに会っていないことにジョニーは気付く。
「はぁ?何言っているのよ?バーバラなら武道家のケンとデキてたじゃないの」
「え?」
「あんた知らなかったの?」
「そんなばかな」
ジョニーは本当に知らなかった。
「魔の森って覚えている?」
「ああ、二人で迷い込んだ時だろ」
あれは大変だったな、とジョニーは懐かしむ。
「その時なんで二人がすぐに助けに来なかったと思っているのよ?」
「それは二人も迷ったからだろ」二人ともそう言っていたはずだ。
「何言っているのよ。二人でずっとテントに居たからに決まっているでしょ?あとは言わなくても分かるわよね」ばからしい、とアイリーンは首を横に振る。
「まさか冒険の途中で居なくなったのは……」
「そういうことよ」
「……なんてひどいんだ」アイリーンの言う通りバカじゃないか、とジョニーはうなだれた。そんなことってあるのか。
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