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「アイリを、アイリーン王女を私にください!!!」
ジョニーは跪きながら、王に頼んだ。そしてジョニーに続き、アイリーンも跪き、口を開く。
「お父様。私はジョニーと一緒になります」アイリーンはサライ王を真っ直ぐに見つめ、はっきりと口にした。
「私は必ず幸せになります。国の幸せが私の幸せなら、私の幸せもまた、国の幸せになるのではないのでしょうか」
「サライ王。私は以前にアイリーン王女に誓ったのです。二度と離れないと。王女に誓うということの重さと決意を、王ならばお分かりいただけるのではないでしょうか」
二人は揺るがない。揺らぐことはもう二度とない。
皆の視線は二人からサライ王へ移り、王の答えを待つ。顔を歪めた王が口を開くその前に、もう一人、二人に並び跪く者が現れた。ジェイスだった。
「サライ王。私からもお願いします。この国と、そして何よりもアイリーン王女のために」
3人の前にサライ王は歪めた顔を緩め、力なく笑う。
「わしの負けじゃ」
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