終章

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@@@@@@@@@ 「簡単に負けないでよ!」とアイリーンがサライ王に詰め寄る。 「大体なんでジョニーにドラゴン退治なんて頼んだのよ」 「それは彼が伝説の剣を……」 「はぁ?あの剣なら私だって何度も抜いたし、兵士Bだって抜いてたじゃないの!」アイリーンは舌打ちをしてジョニーの方を向く。 「ジョニーだって知ってたでしょ」 「おい、それは言っちゃいけないのが暗黙の了解じゃなかったのか」ジョニーは伝説の剣を抜いた時のことを思い出す。 今から一年前だ。城に呼び出されたジョニーは、王の前で伝説の剣を抜けるかどうかを試された。伝説の間、と呼ばれる部屋で、地面に突き刺さる剣に手を掛けた時には、あれ?なんだよこれ?とジョニーは異変に気付いていた。グラグラじゃないか、と。 「大体3つ目の村に売っていた鋼の剣の方が攻撃力が高かったじゃない」 王室に居る全員が苦笑いをし、そういえば伝説の剣、ほとんど使わなかったもんな、とジョニーも力なく笑った。 「ほんとにひどい世界ね!才能ないんじゃないのこの作者!」とアイリーンは再び上を見上げる。先ほどから水が落ちてきて鬱陶しいのだ。よくこんな話で泣けるわね、といら立ちが収まらない。特に後半なんてひどい設定なのに。 「おいおい、落ち着いてくれよ」とサライ王がアイリーンをなだめる。 「そろそろ、次のページが完全に開くぞ!」 「次はどんなシーンだっけ?」アイリーンは仕方ないわね、と伸びをする。 「キスシーンだよ」 「……最悪ね」
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