脅し

6/18
817人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
「……まあ、後藤さまとお会いになってから考えましょう」  そうして事務所に着いた。  俺の部屋に行くと、ソファに後藤里緒の姿があった。 「あっ、黒崎さんっ」  嬉しそうに立ち上がる後藤。  俺とおじいは部屋に入り、扉を閉めた。 「……マネージャーは?」 「今、電話で出て行きました。  黒崎さん、私、やっぱり考えたんですけど、あなたのこと、好きです」  上目遣いで俺を見る後藤に、普通の男ならイチコロだろうが、俺はどうも思わなかった。 「……前も言ったが、俺は「いいんですか?」 「は?」  急に俺の言葉を遮られて驚いて後藤を見た。 「いいんですか?  ーーー黒崎さんが、ゲイだってバレても」 「は?なんだそれ…」  いきなりそう言われて驚いた。  なんでそんなこと、この女は知っているんだろう。  まあ、探偵でもなんでも使えばどうにかなるか。  さっきまで甘えた声を出していたのに、強気の後藤は続けた。  
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!