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「……まあ、後藤さまとお会いになってから考えましょう」
そうして事務所に着いた。
俺の部屋に行くと、ソファに後藤里緒の姿があった。
「あっ、黒崎さんっ」
嬉しそうに立ち上がる後藤。
俺とおじいは部屋に入り、扉を閉めた。
「……マネージャーは?」
「今、電話で出て行きました。
黒崎さん、私、やっぱり考えたんですけど、あなたのこと、好きです」
上目遣いで俺を見る後藤に、普通の男ならイチコロだろうが、俺はどうも思わなかった。
「……前も言ったが、俺は「いいんですか?」
「は?」
急に俺の言葉を遮られて驚いて後藤を見た。
「いいんですか?
ーーー黒崎さんが、ゲイだってバレても」
「は?なんだそれ…」
いきなりそう言われて驚いた。
なんでそんなこと、この女は知っているんだろう。
まあ、探偵でもなんでも使えばどうにかなるか。
さっきまで甘えた声を出していたのに、強気の後藤は続けた。
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