脅し

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「私、知ってるんです。  黒崎さんがゲイっていうか、バイなの。  ……バレたらやばいんじゃないですか?」 「……脅してるのか」  俺がそういうと、後藤はうふふ、と笑った。  まるで悪魔みたいに。 「そんな言い方しないでくださいよお。  ただ……こうしたら、私とちゃんと向き合ってくれるかなって」 「俺にどうしてほしいんだ」  そう尋ねると、後藤は俺に近づいてきて腕にすり寄ってきた。 「……私と、付き合って?  私のこと、ちゃんと考えて欲しいな」  何言ってんだ、この女。  付き合っても、何も全くないのにちゃんと考えてなんて頭おかしい。  ……でも、今はなんて返したら正解かわからなくて。  はあ、とため息をつくと、後藤から離れた。 「……少し外で待ってろ」 「……うふふ、はあい」  そういうと、後藤は出て行った。
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