817人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
「私、知ってるんです。
黒崎さんがゲイっていうか、バイなの。
……バレたらやばいんじゃないですか?」
「……脅してるのか」
俺がそういうと、後藤はうふふ、と笑った。
まるで悪魔みたいに。
「そんな言い方しないでくださいよお。
ただ……こうしたら、私とちゃんと向き合ってくれるかなって」
「俺にどうしてほしいんだ」
そう尋ねると、後藤は俺に近づいてきて腕にすり寄ってきた。
「……私と、付き合って?
私のこと、ちゃんと考えて欲しいな」
何言ってんだ、この女。
付き合っても、何も全くないのにちゃんと考えてなんて頭おかしい。
……でも、今はなんて返したら正解かわからなくて。
はあ、とため息をつくと、後藤から離れた。
「……少し外で待ってろ」
「……うふふ、はあい」
そういうと、後藤は出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!