序章

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国立大に入れず,片田舎の平凡な私立大に通うことになり一年半,一人暮らしにも慣れ,夏が終わり半袖で生活するには肌寒くなってきた。 もはや自炊する気もなくなり昼食をとりに学食に行くと 「しのぶ~,今日サークルやんの?」 学食の真ん中から大声で,このコンプレックスの塊でもある中性的な名前を呼ぶのは一年の時からの友人の三宅貴博である。 「あ~、多分やるよ。 ってかなんかメールで3人で見学に来たいってきたんだけど…しかも女子!」 「なにそれこんな時期に?またみんなすぐやめるじゃろうけどな,まあ他のやつらにおくっとくわ。じゃまた後で」 へらへら笑いながら話したあと,携帯を片手に三宅は学食を出ていった。 ちなみに何故,自分がサークルの活動日や部員の調達などを行ったりしているのかというと,1回生の秋から部長になったからである。 マイナーなサークルのため4回生が卒業したら上級生がいなくなるのと,本気で競技してるのが自分くらいしかいなかったのが理由である。
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