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「ルールなんていらないだろ。これは相手に負けを認めさせるかさせられるかの勝負だ。型は外させてもらう」
「はあ? お前は今まで何をしてきたんだ?」
「剣道は俺に合わなかったんだ。そりゃあ努力はしたさ。お前と同じで技術的な才能には恵まれてたみたいだしな。でも、俺の極めた剣道はいつの間にか剣道の境界線を越えていた」
「じゃあお前はなんの為に剣道を」
「決勝の舞台で俺の剣道が通用するか試したかったんだ。でも、もうお前でいいや。試させてもらうぞ」
「なんだよそれ」
じゃあ俺は今、何と戦ってんだよ。
……潰す。
潰して終わらしてやる。
一呼吸後、俺達は同時に竹刀を振り上げた。
「調子に乗るな! 無能ども!」
一人はそう叫びながら、二人の生徒が俺と転校生の間に入ってきた。
二箇所で竹刀のぶつかる音が鳴り、俺の前に須藤、転校生の前に智優が竹刀を持って俺達の足止めをしていた。
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