18センチに祈りをこめて

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「やっぱり、王道の苺のデコレーションケーキですよね」  ソファーにうつ伏せに寝っころがり、チラシを見ながらメイは嬉しそうに言った。何度も見ている近所のケーキ屋のチラシは、すっかりくたびれてしまっていた。 「アソートケーキも捨てがたいんですよね。ナオヤさんはチーズが好きだし、タツヒコさんは抹茶が好きだから。いろいろ入っているのもいいけど、やっぱり一つのケーキを家族仲良く切り分けて食べることに、個人的にはこだわりたいんですよね」  やっぱりクリスマスですもんね、と一人言のように言うメイに、タツヒコがぼそりと言った。 「王道を追求するならブッシュドノエルかシュトーレンにすべきだろ。海外じゃあ…………」 「サイズは6号でいいですか?」  タツヒコのいつものうんちくを無視し、ソファーから飛び降りたメイはダイニングテーブルにチラシを広げた。
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