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「6号って18センチだろ?三人で食うのに6号は大きいだろ。俺もタツヒコもそんなに甘いもの好きじゃないし、お前もあまり糖分とると良くないだろ。5号くらいにしておけよ」
淡々と言うナオヤに、メイは大きく首をふる。
「ダメです、6号です!愛する私を心配してくれるナオヤさんの気持ちは嬉しいんですけど、せっかく三人で食べるなら大きい方がいいんです!」
「いや、別に愛とか…………」
「聖なる夜に、大きなショートケーキに灯をともす。二人でそれを…………あっ、それならこっちのスペシャル二段ケーキの方がいいです!?なんかウェディングケーキっぽいし、初の共同作業で永遠の愛を…………」
「わかったわかった、6号ケーキでいいから」
メイがこのモードに入ると話が終わらなくなる。話を切り上げようとナオヤが妥協する。
「やっぱりそうですよね!なら、善は急げ!さっそく予約してきます!」
「今から!?いや、もう遅いから…………」
「いえ、クリスマスケーキは早期予約が基本です!」
「…………基本って」
「早くしないとケーキ屋さんが閉まっちゃうんで、行ってきます!」
と、言うと、メイはナオヤの鞄の中から財布を取り出し、ダッシュで玄関へ目指す。
「あっ、食後のデザートに、ついでに、ついでですけど、シュークリーム買ってきます!」
玄関ドアを出る直前にそう言うと、メイはあっという間に行ってしまった。
「メイのやつ、シュークリーム食いたいだけだな」
タツヒコに言われ、ナオヤはがっくりと肩をおとした。
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