遊賀 黒鵜

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僕は喫煙ルームへと向かい、煙草を吸い始める。煙草を吸っている時が一番落ちつく。本当はやめたいんだが、こんな会社じゃやめられない。 何か楽しい事でもないかと、僕はスマホを片手に適当なまとめサイトを見る。そこに1つ気になる記事があった。 「ラスボスが名前のオンラインゲーム【OmeGA】、遂に明日サービス開始!キャッチコピーは『オメガは無敵だ!倒せるものなら倒してみろ!』」 ラスボスが名前のオンラインゲームか。記事を見ると、明日サービス開始、しかも無料だ。 「よう!クロー!今日も反抗してましたね~!」 「ふん…アイツが悪いんだよ」 僕に話し掛けて来たのは僕と同時に会社へと入った花菱(はなびし) 秀成(ひでなり)だ。ルックスが良く女性からモテる顔つきだ。僕は一応身長が170は越している。でも花菱は180だ。 「ムカつくぜ」 「うーん~まぁークローも良くはないけどな」 「…本当にムカつくぜ」 僕は煙草を吸い終わり、喫煙ルームに置いてある灰皿で火を消してゴミ箱に入れた。自分のデスクには戻りたくはないが、戻らないと始まらない。 何でもそうだ、先に進むには指定の場所へと行かなきゃいけない。
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