第1章

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大学、アルバイト先、自宅のボロアパートまでは地図上で線を引くと、ちょうど三角形が出来上がる。 自宅から大学へいく途中にはコンビニがあり、大学からバイト先までの通りには、老若男女問わずに愛されている総菜屋がある。そしてバイト先から自宅までの広い道には、それなりに安いスーパーマーケット。 ただし、自宅周辺にバス停やタクシー乗り場はなく、地下鉄も市電も等しく徒歩二十五分。 それでも充分満足のいく立地だと思っている。 自転車を買いたいが、このボロアパートに駐輪スペースはない。 そもそもアルバイトがあるたびに、コロッケやらサンドイッチやら、そういうものを食べてからタイムカードを切ってしまうのをやめれば、少しくらいなら痩せるのでは? そろそろランニングの時間を増やそう。ウォーキングでもいい。 腹を叩くと、なんとも無様な音が鳴った。
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