第1章

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「あ、やべ」 防具アイテムを貸しっ放しだ。これでは二撃食らうと死んでしまう。 『クロノは今日きます?』 『デートだからこねーとよ』 『俺あいつに防具貸しっぱなんですけど』 俺より太っていて清潔感もないのに、デート、だと……? 「今度ログイン時間が合ったらリザキルしてやる……」 こうして素直に口から妬みを発せられるのは、ボイスチャットを利用していないからだ。俺たちは基本的にひとりごとが多く、耳障りなだけということで採用せずに、昔ながらのチャットを楽しんでいる。 『ごめ、シロに貸せるやつないわ』 『ですよね。俺二撃で死ぬんで、蘇生お願いします』 どうして魔法攻撃系の職業は、防御が紙に等しいのか。
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