第1章

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このゲームのキャラクターは、レベルが最大に達すると、周囲にオーラエフェクトが出る。どのゲームでも「このキャラ強いです」アピールはあるから、今更格好いいとかそういう感情は抱かない。 大抵は、こいつ廃人だ、とだけ。 そんな廃人の集まりが、今、初心者狩場を荒らすボス狩りに出る。 かたや「退治ありがとうございます」 かたや「またかよクソ廃人どもめ」 そんな感想をもらうボス狩りギルドの中の人は、三流大学生。 討伐時間から算出した出現時間を他のボス狩りギルドたちと共有し合い、こうして出発する。 何人かは大学生としての自分に舞い降りた幸せや困難と戦っており、ログインしていないが、これだけのメンバーがいればなんてことはない。 必要な役割を果たせるキャラクターがいれば、後は単調作業のみ。 出現時間まであと十五分。情報リークを狙って待機しているプレイヤーをかく乱させるための時間前行動のはずだったが、狩場は大混雑。 初心者マークのついた低レベルキャラクターで、溢れ返っていたのだ。
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