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オルテリア様でなく正式に名前で呼ぶ許可を貰う。逆に俺に対しては、何とも、何ともな呼び方だ。うーん……いいこと言ってるんだろうけど、その呼び方はどうにかなんないかな。
「あの……名前とかで呼んでもらえませんかね?」
「あら、おきに召しませんでした?では……お名前、何でしたっけ」
名前で呼んでくれという願いは、予想外の方向から切り捨てられた。いや、同じクラスですよね!?
「……ヒロト・カルバジナだ。よろしく」
「おっほん、では私も。オルテリア・サシャターンですわ。こちらこそよろしくお願いしますね、落第さん」
話聞いてた!?
驚愕の表情を浮かべているであろう俺の視線の意味がわかったのか、彼女は照れたように笑って口元を隠す。その仕種が、何だかとてもお嬢様っぽい。お嬢様なんだけど。
「すみません、殿方を名前でなんて恥ずかしくて……それにこういったあだ名も親しみがあるじゃないですか」
あだ名についての意義を唱える。そ、それはそうだろうが、果たしてそれはあだ名なのか?まあ俺としては別に呼び方に大した執着はないんだけどさ……
「アカリさんのように、私が真に認めた人は名前で呼ぶことにしていますの。だから貴方も頑張ってくださいね?」
「はは、まあ頑張るよ」
名前で呼ばれる為に頑張る……とは違うが、応援してくれる人がいるというのは素直に嬉しいものだ。しかし、名前で呼ばれる条件がアカリクラスってレベルたけーな。
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