出会いのキノコ狩り

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というか何度か二人による悪戯でどっちがどっちだとか、互いに入れ替わったりとそういうことがあり、その時俺はわからなかった。 そのユメちゃんに料理を習い、全く料理が出来なかったアカリは人並みに料理が出来るようになっている。その料理の腕を、昼食の弁当として振るってくれているわけだ。 俺は適当にパンを買ってもいいのだが、栄養バランスが悪いし、どうせ作るなら一人も二人も三人も変わらないからと押し切られた。ちなみにこの三人もというのは、アカリのルームメートのことで…… ……おっと、話がそれてしまった。まあつまりはアカリお手製の弁当を食べながら、機嫌が悪いアカリに話しかけているわけだ。本人は機嫌は悪くないと言うが、どう見ても悪いだろ。わかりやすくツンとそっぽ向いちゃって、弁当もパクパク食べ進めている。ぷりぷり怒っている。アカリぷりぷり。 機嫌が悪いその理由はわからないが、さっきの神技テストの時からだというのはわかっている。そしてそんな状況にも関わらず俺に弁当を渡してくれるということは、どうやら本気で怒っているんじゃないということも。 「そうだよねー、ヒロトはお胸のおっきい人に応援された方がいいよねー」 とはいえ、原因がわからないのでは機嫌を治す方法もわからない。おまけにさっきから訳わかんないこと言ってやがるし……いきなり不機嫌になられてもなぁ。うお、卵焼きうめえ。 「それに、す、すすす……きって……」 それに何かを呟いたかと思えば、急に顔を赤くして俯いてしまうし。これが漫画なら顔が赤くなった描写にボンッという効果音が付くだろう。見ていて飽きない。うお、唐揚げうめえ。 「好きがそういう意味じゃないのはないのはわかってるけど……でも。……ふんだ、何さちょっと胸が大きいからって。私だって……」
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