出会いのキノコ狩り

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- 俺が連れてこられたのは、先生がいつも使っている部屋だ。今日は快晴だというのに部屋は薄暗く、それがカーテンが閉められているためだと気付いた。さらにそこは何の片付けもされてないらしく、物が散乱していた。 「で、これが今回の仕事の手伝いですか?」 「あぁ。それとこれな」 そう言って先生は、大量の資料を机の上に置いた。ズシリ、と紙の音ではないものが俺の耳に届いた。あぁ、やっぱり嫌な予感が…… 「それは?」 「今回テストを受けた……まあ全生徒だな。なに、その資料に印を押してくれるだけでいい」 簡単に言うけど全生徒って……何百いると思ってるんだ。しかも、そのチェックにも似た作業を一生徒、しかも落ちこぼれ扱いの俺に任せていいのか? 散乱した部屋には、資料や何かの実験道具、それらが乱雑に散らばっている。とても女性が使っている部屋とは思えない。その中で、俺に作業を任せる資料だけを纏めてあるのは何だか不思議だった。 「わざわざ俺に任せる資料だけわけて纏めるくらいなら、部屋も片付けてくださいよ」 「バカ者、部屋もお前に片付けさせるのに私が片付けてどうする」
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