出会いのキノコ狩り

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この学園には噴水のある中庭や裏山、さらに水場や池、神力を扱うための訓練所などと色々なものがある。……で、……裏山に登っているのだが……山といっても、生い茂る木々の景色はむしろ森に近いかもしれない。登山中と言ってもいいのだろうか。 学園の裏手にあるこの場所を裏森と命名するのが嫌だったのか、それとも本当に何らかの山なのか……まあそんなのは定かではない。木々が生い茂り、道なき道が俺の行く手を阻む。手入れされてないにも程がある。 こんなの神力を使って木を切ったり草を分けたりして道を作れれば楽なのだろうが、いかんせん俺にはそれすらもできない。試してもいいがどうなるかわからん。 それに、神力をうまく扱えれば空を飛ぶことも可能なのだ。むしろ飛べる奴に頼めよキノコ狩り、とも思う。まあせっかくの単位ゲットのチャンスだ。なのでこうやってせっせと歩いている。わけなのだが… 「あちぃ……」 これでもかというほどに憎々しげに照りつく太陽、山道(森っぽいけど)が俺の体力を削っていく。先生が言っていた場所はもうすぐのハズだが……こんな所にしか生えていないのだから仕方ないが、あの人こんな所までキノコを取りに来させて。まさか楽しんでるだけじゃないよな。
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