出会いのキノコ狩り

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そんな悪態すらつき始めた頃、ようやく視界が開けてきた。生い茂る木々の向こう側に現れたのは、思わず目を奪われてしまう程に広大な景色だった。見事というべき雄大な滝、水が一面に広がる湖、倒れている人、真っ青な空、照りつけるたいよ…… ……倒れている人? 今、何かおかしなことがあった。俺はもう一度辺りを見渡し、確認する。見事というべき雄大な滝、水が一面に広がる湖、倒れている人、真っ青な空、照りつける太陽。おかしいところは何もない……と言いたいが、残念ながら倒れている人、というのは見間違いではない。 「お、おい!」 駆け寄るとその姿がはっきりと目に映る。仰向けに倒れている人物……女の子だ。まず一番に目を引いたのは、その輝くような銀髪だ。背中辺りまで伸びた銀髪に所々金色が混じっており、照り付ける太陽のおかげで眩しく光っているよう。 年代は、同じくらいであろうか。眠っているようだからまじまじ見るわけにはいかないが、長い睫毛に整った顔、出るとこは出てるスレンダーな体型、そして流れる血……血!? よく見ると……いやよく見なくてもそうなのだが、この子の体には血が付着している。見たところ拳銃で撃たれたようだが……ドラマで見ることはあっても、実際に撃たれた人を見るというのは初めてだった。 ……これが、俺と自称神様を名乗る少女との出会いだった。
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