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「こんなもんか?んなもんじゃあ、アタシは殺れねえぞ!」
吠え、手に力を集中させた闇のエネルギー弾を放ってくる。小さいが、凄まじいエネルギーが凝縮されているのを感じる。あれは……ヤバい!
「くっ……!」
先の二回の衝突で、私の方が力負けしているのがわかっている。ならばここは、まともにぶつかり合うよりも避けることを優先して……
「!え……うそ!」
翼をはためかせ、飛び回避するが……回避したはずの闇のエネルギー弾は、私を追ってくる。よりにもよって追尾機能付きだなんて……!
「なら、これなら……!」
追尾してくるのなら、逃げても意味はない。迎撃する。火力が足りないなら、加えるしかない!
「だぁあああ!」
両手に小さなエネルギー弾を作り、それを無数に飛ばしていく。一つの力が足りなくても、それをプラスしていけば大きな力になる!
その甲斐あってか、闇のエネルギー弾は消滅する。何とか相殺に持ち込むことが出来たが……それに気を取られすぎていたことに、今更ながら気付く。
「よそ見厳禁だぜ?」
背後から殺気を感じ、振り向くと同時……頬に、拳を打ち込まれる。しかも一発ではない。二撃、三撃と……腹に、鳩尾に、体中に。空中で馬乗りになられ、落ちていく最中にも次々拳を打ち込まれる。それを回避する術は、ない。
「こいつでフィニッシュだ!」
地面に直撃する直前……最後、顔面に重い一撃を貰う。その衝撃で勢いよく地面に激突し、クレーターが出来上がる。鮮血が、舞う。
「っ、がっ……!」
視界が、赤く染まる。口の中に、鉄の味が広がる。鼻に鉄の匂いが、充満する。打ち付けられた体が、悲鳴を上げる。体内から、何かがこみあげてくる。視界が、ぼやける。なにかが体内から、のどを伝ってくちから吐き出される。鉄のにおいがちの匂いがいえきのにおいが……
……息が……上手く、できない。なに、これ……
……死……
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